子供の幸せを願って

~未熟児で産まれ、知的障害・言語発達遅延を患った息子の成長において私ができること~

⑥やっとみんなと同じ土俵に上がれた私~まだまだ気持ちに余裕があったあの頃~

前回のあらすじはこちら↓

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息子が退院後も、私は一カ月実家にお世話になりました。

 

まだ2,100グラムにも満たない小さな未熟児の赤ちゃんでしたが、手足を一生懸命にバタつかせ、大きな声で泣き、安らいだ顔で眠り、普通の赤ちゃんとは変わらないくらい元気にしていました。

 

数時間おきの授乳やミルク作りも、夜中の睡眠不足も、慣れないオムツ交換や沐浴も、泣きわめいた時のあやし方も・・・全てが初めてでもちろん大変でしたが、家族の協力と無事に元気に産まれてきてくれた感謝の気持ちで、それらを乗り越えることができました。

 

ただ、あの時は体重を増やすことに必死で、毎日憑りつかれたかのように息子の体重をはかり、その都度一喜一憂していましたが。。。

 

それでも、順調に体重は増え、退院時2,074グラムだった息子が一カ月検診の時には2,830グラムまで大きくなっていました。

 

これで、やっとみんなと同じ出産時の平均。未熟児からの卒業。棒のように細かった手足は、少しむっちりしてきて、私がイメージしていた赤ちゃんの姿になっていきました。

 

その時の母子手帳の質問欄には、「子育てについて困難を感じることはありますか?→いいえ」という記録が。

 

そうか、あの頃は体力的には大変でも、精神的には安定していたんだな・・・と。

 

どんなに小さくても、授乳やミルクによって、みるみる大きくなっていく息子。

 

努力することによって、その結果が現れていく喜び。

 

お腹の中で成長が止まってしまった時に、どうあがいても大きくならずに路頭に迷っていた経験によって、この努力と結果が比例してくる息子の成長がとても幸せだったのだと思います。

 

 

 

そして、いよいよ旦那さんの待つ自宅へ息子を連れて戻りました。

 

これからは、家のことも息子のこともほぼ一人でやっていくことになります。

 

授乳やミルクは思うように進まず、なんやかんやで1時間はかかるし、食事を作っていても、洗濯をしていても、すぐに呼ばれる。夜中も寝たと思ってベッドに置けば、またすぐ泣きだしたり。オムツからは排泄物が漏れて、洋服もシーツももみ洗い。今まで普通に哺乳瓶からミルクを飲んでいたのに、急に飲まなくなったり。

 

初めての新生児育児は想像以上に大変でしたが、これはみんなが通る道・・・

 

改めて母の偉大さを感じました。

 

当時は毎日が睡眠不足でボーっとしているし、新生児中心の生活にてんてこまいで、本当に疲れていましたが、今思えばそれでも気持ちは安定していたなと。

 

その時の大変さは一般的な大変さ。当たり前の大変さだったからだと思います。

 

ひとつひとつ目の前にあることを片付けていく、それに集中さえすれば、どんどん事が片付いていく。

 

 

 

こうして、他のみんなと変わらない育児をしていた私が、息子の成長において最初の小さな壁にぶつかったこと。

 

それは、生後3カ月になっても4カ月になっても、なかなか首が座らないということでした。

 

同じ時期に産まれた赤ちゃんはみんなもう首が座っている・・・

 

ネットで調べてみても首座りの時期は、平均3~4カ月。

 

「でも、息子はみんなより小さく産まれたし、ゆっくりで大丈夫!」とその頃はまだまだ気持ちに余裕がありました。

 

焦らずゆっくり息子の成長を見ていたあの頃。

 

結局、息子の首が座ったのは5カ月頃で、「ほら、やっぱり大丈夫!」という安心感があったのです。