子供の幸せを願って

~未熟児で産まれ、知的障害・言語発達遅延を患った息子の成長において私ができること~

優等生の落とし穴~【助け合いの連鎖】を生み出すためにできること~

本日のブログは優等生のみなさんを否定する記事ではありません。

優等生になるためには、たくさんの努力や忍耐力が必要で、たくさんの壁を乗り越えてきたからこその結果であると思っています。

 

今回の記事は現在の娘に対しての私の思いですので、ご理解のほどよろしくお願いいたしますm(__)m

 

 

 

 

先日、小学校一年生の娘が大癇癪を起こしました。

 

その理由は・・・

 

『公文の算数プリントがすらすら解けないから。』

 

どうやら、割り算のあまりを出すときの二桁の引き算が頭の中ですぐにうまくできなかったようです。しかも、その前にやった国語の学習でいつもより時間がかかり、疲れもあったのだと思います。

 

現在、娘の算数公文の進度はCの後半に差し掛かったあたり。だいたい小学校三年生レベルの内容となります。

 

今まで、なんでもこなしてきてしまった娘は、自分ができないという大きな壁にまだぶつかったことがありません。

 

幼稚園でも、学校でも、全く何も問題なく過ごしてきています。

 

さらに、ハンディキャップを抱えた息子と一緒に育ってきた娘は、いつも自分はできるという立場です。

 

もちろん何でもできることは素晴らしいことなのですが、前から私は素直に喜べない部分がありました。。。

 

 

 

表面的には何でもできてすごい娘よりも、表面的にはできることが少ない息子の方が真の強さがあります。それは、今までの幼少期から少しづつ培われてきたもの。

 

何も問題なくいつもこなしてしまう娘は、このままその調子で一生を過ごしていけるのでしょうか?

 

私はそんなことはあり得ないと思っています。

 

程度はあるにせよ、必ず何か苦しいことや辛いことや出来ないことが出てくる・・・

 

だから、息子のようにさまざまな壁を乗り越える経験をさせてあげたい。

 

本来であれば、この子の学力的にまだ公文は必要ないのかもしれません。

 

そもそも、私の教育のゴールは『困難の中でも光を見つける人間に育てること』で、特別優秀な人材にしたいという気持ちはなく、毎日平凡な生活ができれば十分だなという考えがあります。

www.jiritsusupport.com

 

 

では、なんでもできる娘になぜ幼稚園年長のまだ幼い頃から公文を習わせたのか?

 

それは、小さいうちから何か壁にぶち当たってそれを乗り越えていく経験をさせてあげなければ、この子はいざ大きな困難に出会った時につぶれてしまうのではないか・・・と思ったからです。

 

だから、本人も興味のあった公文を習わせました。

 

公文であれば、出来るところはどんどん進み、早い段階で壁にぶち当たることができる。

 

 

 

そう、先日の大癇癪は本人にとって初めての壁だったのかもしれません。

 

頭がうまく働かずに、どんどんイライラしていく娘。

 

娘は「いつも私はできるのに・・・いつもすらすら分かるのに・・・」といった気持ちだったのではないでしょうか?

 

「ゆっくりでいいよ」と私が声をかけたのを皮切りに・・・

 

『ぎゃあああ!!!お母さんも一緒にやって!!!』

『うわあん!!!!うわああん!!!うわああん!!!』

 

「最初から分かるんだったら、勉強なんて必要ないよ?」

「諦めないで少しづつ頑張れば大丈夫だよ。」

「前、引き算やった時、最初はできなかったけど頑張ったらできるようになったよね?」

 

どんな言葉をかけても、娘の癇癪は収まりませんでした。

 

5分経っても、10分経っても、20分経っても、ずっと大きな声で汗をかきながら顔を真っ赤にして泣き叫んでいる娘。

 

やっと、この時がきたか・・・

 

普通であれば、親も疲れてしまいますよね?

 

でも、私は「これで一つ壁を乗り越える経験をさせてあげることができる。やっとチャンスがきた。」と、とても冷静でした。

 

 

 

しばらくしても、自ら泣き止む気配がなかったので、「今、二桁の引き算を頭の中ですぐやるのが難しいんだよね?」「国語頑張ったから、少し疲れちゃったね。」と、いつのもようにまずは【共感の言葉】をかけてみました。

 

それでも全く効かない娘。

 

『うわあん!!!!うわああん!!!うわああん!!!』

 

そして、ちょっと【ふざけてみる】次の手。

 

「ねえ、ニコニコスイッチどこ?」

 

すると、娘は「ないよ(怒)!!!」と、かなりイライラしています。

 

「そうかあ、ないとずっとこのままだね。」「お母さんどこにあるか探してくるね♪」と言ったところ、少し顔が緩み始め「このお家にはない・・」と。

 

そして玄関の外へ向かう私。すると、娘がついてきて「あっちだよ」「こっちだよ」と言い始めました。

 

「じゃあ、一緒に外に探しに行こうか?」という言葉で、「うん!」と少し機嫌が直りました。

 

気分が直らない時はこうして外に出ることによって、日の光を浴び、風を感じ、そういった五感を刺激することも有効なのだなあと思いました。

 

そして、やはり辛い時苦しい時はその問題から一度離れて、違うことを考えみることによって気分転換ができるものだなということを改めて感じることができました。

 

感情的になっている時は、まずはどんな方法でもいいからその感情が収まるまで待ち、そして深呼吸をして気分を整えてから、再度その問題や課題に向き合うことによって冷静に対応できることもあるのです。

 

 

 

少し外でお散歩した娘はすっかりご機嫌になり、戻ってからまた算数プリントに取り組むことができました。少し私の手立てを借りながら・・・(^^)

 

その後数日間、ため息をつきながらも大きく癇癪を起こすことなく頑張って同じ課題と向き合うことができ、そうしているうちに次の単元へと進むことができた娘。

 

「あんなに泣いていたのにできたね(^^)」

 

 

 

この数日間の戦いはまだまだ小さな壁かもしれません。でも、娘にとったら、初めてあんなにイライラして感情が爆発してどうしようもなくなった経験は大きな壁だったと思います。

 

ここでとても大切なことは、その壁を自分の物差しで測ってはいけないということです。

 

その子その子によってそれまでの経験も力量も忍耐力も、みんなそれぞれです。

 

だから、自分にとって小さな壁であっても、その子にとっては大きな壁であることをきちんと認めてあげる必要があると思います。

 

「こんなの簡単だよ。他の子は泣かないで頑張っているよ。」などは、もちろん禁句だと思います。

 

きちんとその子が感じている壁を受け止め、それをしっかりサポートしてあげる。

子供のうちは大人が壁を乗り越える手助けをしていくことによって、まずは「辛かったけどできた!」という自信をつけさせてあげることが重要だと思っています。

 

これは、子供たちに限った話ではなく、大人たちにも言える話だと思います。

 

大人にもなれば、みなさんもっといろんな壁にぶち当たっていると思います。

 

それを「私はあの人よりもっと大変なのに・・・」とか、「私はあの人よりも楽なのに・・・」とかいうように、苦労は周りと比べることができないものだと思っています。

 

それは、子供たちと同じようにみんなそれぞれ経験も忍耐力も精神力も行動力も違うからです。だから、自分が辛いこと苦しいことは周りと比べることなく、周りは参考程度に自分の中で向き合い、また、相手の辛いことや苦しいことは、その人が感じているように想像し理解しようと努力すべきだと思っています。

 

 

ここで重要なのは、困難は自分の力だけで乗り越えなくてもいいのではないか?❞ということ。

 

そもそも、大人たちだって何もかも全て一人でやっていくのはとても大変で厳しいと思います。

 

みんな、何かしらの手助けを受けながらここまでやってきている。

 

私自身、大人になった今もいつもいろいろな人に助けてもらってばかりの人生です。

 

だからこそ、今まで自分が感じたこと学んだことを発信していくことによって、一人でも多くの方が何かを考えるきっかけになればいいなと思い、こうしてブログを書いています。

 

この世の中、助け合いが必要です。

 

自分も助けてもらったのだから、今度は微力ながらも自分が助けてあげたいという気持ちが芽生えてくる。

 

そして、この【助け合いの連鎖】がどんどん生み出され、一人でも多くの方が前を向いて過ごせる世の中になっていくのだと思います。

 

もちろん、自主性を育てるために、一人でやっていく練習もしていかなければいけない。

 

でも、人を動かす一番の原動力は【厳しさ】ではなく【優しさ】です。

 

全てはバランス・・・

 

どこかに偏ることなく【愛情】と【優しさ】を土台に、バランスを意識していくことが健全な心身を作っていくためのポイントだと思っています。 

 

 

 

 

まだまだ、自ら感情のコントロールをするのが苦手な子供たち。

 

そんな時はやはり周りの大人がサポートしてあげることが必要だなと感じました。

 

 

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