七五三って6歳でやったらだめですか?~価値観の共存は不可能なのか?~
今日は七五三ですね(^^)
わが家は先日一足先に娘7歳のお祝いを済ませました。↓
前回は息子が4歳、娘が2歳のときにいろいろあったなあ・・・
この時の七五三には少々苦い思い出があります。
もうこのブログを読んでくださっている方はご存知だと思いますが、息子は未熟児で産まれて軽度知的障害と言語発達遅滞を患い、5歳までまともにしゃべることができませんでした。
他の子よりも落ち着きがなく、理解力も乏しかったため、息子が5歳になるとはいっても私にとったら2歳なのか?3歳なのか?4歳なのか?よく分からない状況でした。
毎日、療育を行って、幼稚園に通わせて、3食の食事を追いかけまわして食べさせるだけで手一杯の時期。
小学校はどうする?支援級がいいのか?通常級で行けるのか?・・・
と、常に頭の中は落ち着かない状態。
更に当時、体にあらゆる症状(自律神経?パニック障害?蕁麻疹?難聴?霰粒腫?閃輝暗点?食欲不振?などなど)が一気に出て、身も心も限界状態・・・
そんな私は、「そういえば、男の子は5歳になったらお祝いするんだっけ・・・?」という状態でした。
12月が誕生日の娘は七五三当日でもまだ2歳。
前撮り撮影をすることも考えると、早めの準備が必要です。
体も小さめの娘はまだまだいろいろな意味でおぼつかない・・・
普段、帽子を被ることさえも、髪を結ぶことさえも拒否していた娘に七五三の装いをさせられるのか?
どうせお祝いをするのであれば、落ち着いて笑顔の写真を撮りたいな・・・
息子にとっても、娘にとっても、私にとっても・・・
来年にした方がいいんじゃないか・・・
そう思った私は旦那さんと母と姉に相談。
(私の父はいつも自分が思ったようにやりなさいというタイプです)
みんなの考えは一致して快諾してくれました。
ただ、義父と義母だけは・・・
「ありえない。そういうものではない。間違っている。」「日取りも11月15日を過ぎるのはだめ。」の一点張り。
再度、息子の状態、娘の状態、自分の気持ちの説明を試みると・・・
義父は激高し、「もう俺は行かない」と。
日本の伝統に重きを置く旦那さんのご両親にとって、私の考えは邪道でした。
何度説明をトライしても、話は平行線・・・
平行線というよりも、もう私の考えは聞く耳持たずです。
この先、何十年ものお付き合い。
もし、これ以上私の考えを貫き通して、七五三を延期にするということになれば、大きな溝が作られてしまうことは確かでした。
自分のためにも、子供たちのためにも、旦那さんのためにも、私の幸せを願う実の両親のためにも・・・
そして・・・
何よりも家族関係を円満に保ちたい私は、自分が変わることを決意しました。
だって、普通は男の子は5歳で行うものなのだから・・・
普通は・・・普通は・・・普通は・・・
6歳なんておかしいよね?
私が変なことを言っているんだ・・・
そんな「普通」という概念に悩まされた私。
変わらない相手を前に変わる選択をした私は
「息子5歳、娘2歳のタイミングで七五三を行います。」と言いました。
ただ、一度大きく崩れた関係をその一言で立て直せるとは思いませんでした。
そこで私は自分の中にある深い思いを文字にしたためることに。
『今回、七五三の件で不快な思いをさせてしまい、本当に申し訳ありませんでした。きちんと自分の思いを伝えたく、お手紙を書きます。
私が七五三を来年に延ばしたいと言ったのは、いいかげんな気持ちではありませんでした。
私は何もかも発達の遅い息子と生活しているうちに、一般的な物差しで息子を計ってはいけない大切さを学びました。
だから、息子のペースでの七五三があっても良いのではないかな?と考えるようになりました。
娘の状況を考えても、一年延ばすことによって、少しでもみんなが落ち着いた七五三を迎えることができるのではないかと。
ただ、子供たちを想ってのお父さんお母さんの気持ちもよく伝わってきました。
私は争う気は全くありません。お父さんとお母さんの考えを否定するつもりも一切なく、家族は仲良くしていくものだと思っています。
今まで私が育ってきた環境や自分自身の価値観によって、今後も考えに相違が生まれることもあるかとは思いますが、その都度、どちらが正解でどちらが不正解という判断ではなく、お互い歩み寄りの精神で仲良くしていければと思っています。
七五三どうぞよろしくお願いします。』
当時はもっと長い内容でしたが、ざっくりとこんな感じです。
「争いたくない、仲良くしたい・・・」という、率直な気持ちを伝えることによって、二人の気持ちを解きほぐすことができました。
今回、大きな問題となったのは、一年延ばすことによって11月には9月生まれの息子が満年齢で6歳を迎えてしまうということ。
確かに、七五三というものは、
3歳男女:髪置(かみおき)…剃っていた髪を伸ばし始める
5歳男子:袴着(はかまぎ)…初めて袴をはく
7歳女子:帯解(おびとき)…着物を結んでいた紐をといて帯を結ぶ
といった、昔の儀式が関係しているようです。
ただ、一番の目的は何なのか?
それは、子供の成長をお祝いすることです。
息子が、娘がしっかりと成長したと心からお祝いするためには、当時の私の心境では難しかったということ。
形だけの儀式になってしまうよりも、心からの気持ちでお祝いしたい・・・
という思いが強かったんです。
ただ、いざ本番。
前撮り撮影も神社のお参りも、二人ともぐずることなく落ち着いて笑顔で終えることができて・・・
こんな奇跡ってあるのか・・・というくらいに。
日々の日常に疲れ切っていた私に足りなかったものは「チャレンジする心」だったのかもしれません。
常に守りの体制に入っていた私。
一般的なタイミングに合わせなくても、少しでも楽にできる可能性の高い来年に延ばしたい・・・
これ以上、大変な思いをしたくないという気持ちが強かったのだと思います。
でも、この七五三に関しては、こういった発達の問題だけでなく、それぞれの事情によって悩みを抱えるご家庭もあるのではないでしょうか?
今は昔と違って、年齢の数え方にも「数え年」「満年齢」とあったり、七五三を行う日も11月15日にこだわらなくてもいいと、融通が利くようになっています。
それであるのならば、年齢もその子に合った、その家族に合った、それぞれの価値観に合った時期で選んではいけないのだろうか・・・?
そもそも、七五三とは必ずしも行わなければいけないものではありません。
金銭的な事情で難しいご家庭もいらっしゃるのでは?
法に触れるわけでもなく、誰かに迷惑をかけるものでもない七五三をもっと現代に見合った方法で選択できればいいなと思いました。
子供の成長を喜ぶ気持ちはいつの時代もみんな同じ・・・
その方法は1つでなくてもいい・・・
いろいろな形があってもいいはず・・・
昔の文化に重きを置くことも大切ですが、今の文化を作っていくことも大切です。
時代は常に変わっているように、そういった風習や文化に変化が生じてもおかしくないと思います。
昔を大切にする価値観、今を大切にする価値観、どちらもが共存できる世の中になっていくことを切に願っています。