夜尿症の息子に対し思うこと~【狭い世界】ではなく【広い世界】へ目を向ける大切さ~
昨日、お子さんのトイレ事情のお悩みをブログで書かれている方がいらっしゃいました。状況は異なるにせよ、我が家も課題を抱えていますので、ここで書かせていただきたいと思います。
息子の場合、お昼のオムツがとれたのは年少の初めくらいでした。
平均よりは遅かったけれど、私にとったら年少で外れたことにびっくりで、このままもう少ししたら夜のオムツも外れるのではないかな・・・という期待もありました。
ただ、そこからが長かった・・・
長かったというより、長いです・・・
はい、過去形ではなく、現在形です(笑)
現在息子は小学校3年生の8歳。今年で9歳になります。
幼稚園の頃は、「もともと未熟児で産まれ、発達も遅いから気長に待とう!」と思っていたのですが、全く夜間の尿量が減ることもなく、しかもおもらしをしない日がないくらい毎日毎日だったので、さすがに「あれ?病気かな?」と7歳の頃に病院で相談をしました。
すると「夜尿症ですね。」と。
この「夜尿症」には、以下の通り3つのタイプがあるようです。
①多尿型
単純に水分を多く摂りすぎていたり、尿を濃くして尿量を少なくするホルモン(抗利尿ホルモン)が十分に出ないため、尿量が多くなってしまうケース
②膀胱型
膀胱が小さくて尿をためる力が弱く、我慢できる尿量が少ないケース
③混合型
夜間の尿量が多く、しかも膀胱も小さいケース
※上記、多尿型や膀胱型よりも重症
そのため、息子がどのタイプかを調べるために、まず夜間の尿量を計るため濡れたオムツの重さと、朝一の尿をペットボトルに入れた重さを計り、それぞれ純粋に尿だけの重さを計算して合算するという計測が始まりました。
さらに、一日一回、「もうこれ以上は限界!」というところまで排尿を我慢してもらって、その【我慢尿】の量を計測します。これで、膀胱の大きさを判断するのです。
これはしっかりと十分な期間をかけて計測を続けないと、はっきりとしたタイプが判断できないとのことで、途中何度か経過報告をしながら、息子の場合は約3か月半この計測を続けました・・・
朝起きて、「勝手にトイレ行かないでね!」と言いながらペットボトルを用意して・・・
尿を我慢させることは本人もストレスなので、なるべくその時間はゲームをさせたり、動画を見せたりして、少しでも時間を稼いで・・・
その3か月半はけっこう大変でした。が、他の労力を考えたらだいぶ楽でした(笑)
そんなこんなで毎日かかさず記録をつけた私。
先生からは「真面目だね。こんなに毎日やってくる人はいないよ。」と褒められました(笑)
そして、その記録から息子のタイプが判明しました!
なんと、残念ながら一番重症の「混合型」・・・
でも、そんな気はしていました(^^)
その先生は息子が小さい頃から見ていただいているかかりつけの小児科医の方で、「病気ではないと思うけど、念のため精密検査をしてみようか?」と。
そして、数日後、紹介状をいただき息子を連れて総合病院へと向かいました。
尿検査、血液検査、超音波検査などを行い、その結果、特に腎臓などの病気が原因でその夜尿症が起こっている訳ではないことが分かりました。
担当の専門医の先生は「脳や体の発育の問題だと思います。まだこの歳だとよくあることなんですよ。9歳まで何も変化がなかったら薬を使って、小学校の林間学校までに間に合わせましょうか?」とのことでした。
そう、自分の周りの狭い世界では、この歳になっておもらしをしているなんてほとんど聞いたことがなかった・・・
でも、その分野に長けている方のもっと広い世界では、まだそんなに気にすることはありませんよって・・・
そうか、【小さな世界】で物事を見るのではなくて、もっと【広い世界】に目を向けたら自分の考えも変わるんだ・・・
もともと私はこの『息子のおもらし』に関して、ずっと気長に待つつもりではいました。
オムツをずっと履かせているからいけないのか?
そんな疑問も浮かびましたが、そもそもオムツがタプタプになるくらい毎日出ているのに、そこであえてオムツを外して寝具を洗って干す労力をプラスしなくてもいいのではないかな?と思っていました。
しかも、オムツを履かせているのに、さらに漏れて布団が濡れる時もあるのに・・・
まさに、どんだけ~!!!!
という感じです(笑)
もう他で頑張っているんだから、この件は自分が楽な道をとろう・・・
しかも、息子にどうのこうの思っていても寝ている時のことなのだから、思うだけ損・・・
さらに、排尿で息子がストレスを抱えてしまったら、精神も健康も害してしまう。
私が何よりも大切にしているのは、この『心身の健康』です。
だから、その検査をする前も検査をした後も、私は息子にこの夜尿症についていろいろと言ったことはありません。
ただ、こっそり水分調整はしてみました(^^)
しかし、これは大失敗!今度は便秘になってしまい、しばらくサイクルが整うまで薬を使うことになってしまいました。。。
もう、この「夜尿症」に対して抵抗するのはやめよう・・・
もう、ほっとこう・・・
そして、一年が過ぎ・・・もうすぐ二年が経ちます・・・
もうすぐ、9歳・・・
そろそろ薬の相談をすることも考えないとな・・・
そんなことをぼんやりと考えていた数カ月前くらいから、急にピタッとオムツを濡らさなくなってきたのです!
初めての時なんて「すごい!濡れてないじゃん!!」と、もうびっくりで。8年半くらい毎日毎日欠かさずおもらしをしていたのに・・・
特に水分も調整することなく、何も対策をしていなかったのに、突然何が起きたんだろう?!とプチパニック(笑)
そこから、少しづつ?急激に?おもらしをする回数が激減していきました。
夜中自分から目覚めることなんてなかったのに、夜に自分からトイレに行ったり・・・
夜中トイレに行かなくても、朝まで持つこともたくさん増えてきて・・・
もともと夜中に起こすことは、大切なホルモンバランスが崩れる恐れもあるらしく慎重に判断しなければいけないということで、私から起こすことはしていませんでした。
そんな変化があった数カ月前から、今では本当に本当にすごくたまにおもらししてしまうだけになって。
だから、私のストレス防止のために、完全にはまだオムツは外していませんが、そろそろ卒業の兆しが見えてきました。
(息子がオムツに抵抗があればもうそろそろ外してもいいのですが、もう約8年半も履いているので息子自身は特に問題ないようです。そのため、完全に大丈夫となるまでは私の都合で履いてもらおうと思っています。)
ただ、息子の場合はそういう兆候が9歳前に見えてきたけれど、10歳を越えてもなかなか兆しが見えずに薬やさまざまな方法で戦っている子供たちもたくさんいます。
私たちの周りの【狭い世界】では「小学生にもなっておもらしは恥ずかしい・・・」という傾向が大きいので、余計にそういったなかなか改善されない子供たちに対しては大きなストレスを与えてしまう恐れがあり、そういったストレスが自律神経を乱し、治療に対してとてもマイナスの影響を与えてしまいます。
でも専門の医学の【広い世界】では、「小学生でもそういう子はいるし、薬やその他の方法で治すこともできるから大丈夫だよ。」という異なる認識があるのです。
どちらの環境で治療に臨んだ方が良いのかは一目瞭然・・・
だから、この認識をこの世の中にもっと広めて、❝おもらしをすることは恥ずかしいことではない❞ということがみんなの共通認識になれば、そういった問題を抱えている親子がもっと救われるのではないかな?と思いました。
みんな、いろいろな病気になって、様子を見たり、薬を飲んだりしている・・・
だって、風邪をひいて、誰も恥ずかしいなんて思わないし、誰もそれをおかしいなんて思わないですよね?
この「夜尿症」もそれらと同じなんです。
では、罹患率で【おかしい】とか【おかしくない】が決まるのか?
もちろん、そんなことはないし、罹患率が低い病気だってみんなそれをおかしいとからかう人なんていないと思います。むしろ「大変だな・・・、大丈夫かな?」と心配しますよね?
でも、なぜかおもらしは❝恥ずかしい❞という位置づけ・・・
排尿は人間の生理現象で、この生理現象に関する病は誰にでも起こる可能性があること・・・
どの病気になるのかは、みんな分からない。
だから、それを恥ずかしいなんて思う必要はないし、ましてやそれを周りがからかうことや非難することは許される行為ではないと思います。
また、「夜尿症」で苦しんでいるお子様を持つ親御さんたちも、どうか暖かい目で焦らずゆっくりと治療をしていただければな・・・と思っています。
【狭い世界】で判断するのではなく、【広い世界】に目を向ける・・・
とても大切なことだなと思いました。
そのためには、やはり自分の考えだけでなく、いろいろな人の意見に耳を傾けることが重要であると感じました。
この大切なことは過去記事にも共通して言えることですね(^^)↓