褒める中心の育児はやりません~『感情の予防接種』で「鋼のハート」は作れる?!~
約9年前に息子を産んでから、様々な場面で・・・
子供は褒めて育てましょう!
という言葉を何度も耳にしてきました。
「褒めて伸ばそう!」「褒めて自己肯定感を!」「褒めてやる気を!」「褒めて・・・」「褒めて・・・」
・・・・
どんな場所でも、子育てには『褒める』という言葉がセットでした。
最初は「うん(^^)そうだよね!そうに決まっている♪」
と、思っていた私・・・
でも、現実的に息子の発達の遅れが気になった頃から、どんどんイライラするようになってきて・・・(詳細はこちら)↓
おもちゃを投げる息子、スーパーですぐにいなくなってしまう息子、じっと座ることのできない息子、変な奇声をあげる息子、コップでもストローでも飲めない息子、お友達と遊べない息子、いつになってもおしゃべりができない息子・・・
そんなにたくさん息子の褒めるところを見つけることができませんでした。
でも、周りからは『褒めましょう、褒めましょう、褒めましょう・・・』
そんな中、必死に小さなことを見つけては『褒める』ことを意識していた私。
一生懸命に褒めることをして・・・
でも、『褒める』って無理して行うことじゃないんですよね。
自然に『褒める』気持ちが沸き起こった時にするもので。
だから、当時の私はその『褒める』という言葉がすごく負担でした。
未熟児で産まれて、知的障害と言語発達障害を患ったことにより、壮絶な幼少期だったんです。
ただでさえストレスがすごいのに、さらにしょっちゅう『褒める』余裕もないのに・・・その『褒める』ところを一生懸命に探さないといけないんです。
それで、いつしか『褒める』ことが疲れてしまった・・・
そんな時に、思ったんです・・・
『自分が褒めたい時に褒めて、自分がイライラしてしまう時はイライラして、自分が笑いたい時は笑って、自分が怒りたい時は怒って、自分が泣きたい時は泣いて・・・』
それでいいんじゃないかな?って・・・
『褒める育児』は理想だけれど、現実世界は理想通りにはいかないわけで。
「理想通りの発達」でないのに、「理想の子育て」ってできるのかな?って・・・
でも、療育センターなどのお話しでは、発達に問題があるからこそ『褒める』が大切だと・・・
うん、分かるんだけど・・・頭では分かるんだけど・・・
感情がそこまで追いつかない・・・
それで、しばらく考えたんです。
どういう方向性でこの発達に問題がある息子を育てていこうか・・・と。
真剣に考えた結果・・・
私は『褒める中心の育児』を捨てました。
正確には『一生懸命に褒めることを考える育児』を捨てました。
やっぱり『褒める』って、無理する感情じゃなくて自然に沸き起こるもの・・・
自分が潰れてしまえば、息子を育てることができない・・・
息子が大切だからこそ、私が潰れるわけにはいかない・・・
自然な感情で息子と向き合うことで、私は地に足をつけて踏ん張ることができるのでないか?・・・
偽りの感情ではなく、全てそのままの自分で戦っていきたい・・・
❝ありのままの自分でいい❞
そんなことを決意してから、自分の中の何か腑に落ちない部分が消えてすっきりしたような気がしました。
それからの私は、褒めたい時に褒めて、自分がイライラしてしまう時はイライラして、自分が笑いたい時は笑って、自分が怒りたい時は怒って、自分が泣きたい時は泣いて・・・
❝ありのままの自分❞で息子と接してきました。
そんな息子は今どうなったのか・・・
優しく褒めるだけでなく、厳しい時もあったからこそ、ちょっとやそっとじゃ崩れない「鋼のハート」が作られたように思います。
※昨日の記事も含め、このブログには息子の強さを様々な場面で書いています。
その反面、基本優しく思い通りに育てられた娘は「ガラスのハート」のような気がします。
これは、あくまでも私の育て方による息子と娘の違いです。
もちろん、もともとの性格もあると思いますが、「心を作る」には楽しいことばかりではだめなのではないかな?と感じる部分があります。
子供たちは家庭だけでなく、その後学校から社会へと飛び立っていきます。
その時に褒めてくれる人ばかりではないし、優しい人ばかりではない・・・
意地悪な人、厳しい人、怖い人・・・もいるわけです。
そして、理不尽なことも起こってくる。
そんな時に、子供の頃からいろいろな感情に触れ、様々な思いを経験することで、自分の中の対応策のような切り替え策のようなものを作っていけるのではないかな?と。
そういった経験が「気持ちのコントロール」をしていく力にもつながっていくのではないかな?と思っています。
まさに、感情の予防接種・・・
病気にならないように、あえて少しの菌をいれる予防接種と同じです。
でも、たくさんの菌を入れてしまうと病気になってしまう。
だから、「負の感情」ばかりに偏ることなくバランス良く様々な感情で子育てをすることは、「プラスの感情」だけで子育てをするよりも、むしろ得るものが大きいのではないかな?と。
このブログでは、【笑顔】という言葉がたくさん出てきます。
それも、もちろん大切です。
ただ、【笑顔】だけに執着しなくてもいいんです。
様々な感情で子供たちと接することにより、子供たちも様々な思いを学んでいくんです。
私のブログを読んで、壮絶な育児の真っ只中の方たち、その他大きな悩みを抱えていらっしゃる方たち・・・
いつも、【笑顔】や【前向き】というワードが出てきて、辛くありませんでしたか?
私だったら、辛くなるんじゃないかな?と思います。
頭では分かっていても、感情がついていかない・・・
それは、私も経験したことだからです。
今の私はそこを経たからこそ、これからの自分は「こうして生きていきたいな・・・」と常々大切に思っていることを意識し実践し行動し自分のものにしようとしているんです。
だから、無理して【笑顔】を作らなくてもいいし、無理をして【前向き】にならなくてもいい・・・
ただ、そんな時は1日1回でも、1週間に1回でも、1カ月に1回でも【笑顔】や【前向き】な気持ちが作れればすごい素敵だな、と。
❝負の感情が必ずしもその後マイナスに働くわけではない❞ということを、強く育った「鋼のハート」の息子が証明してくれました。
『褒める』ことを意識した育児をしなくても、息子は毎日をしっかりと生きています。
そして、私自身もそんな経験があったからこそ、今の自分がいると思っています。
長く暗いトンネルがいつまで続くのかは分かりません・・・
でも、本当に辛く苦しい時は、その辛さや苦しさをそのまま表現してもいいと思います。
きっと、それを受け止めてくれる人もいるはず・・・
近くにはいなくても、この広い世界きっとどこかに理解してくれる人が・・・
だから、『辛い時は無理をしない』『苦しい時は頑張らない』という言葉は、とても理に適っていると思います。
理想通りの状況にならなくても、理想通りの自分になれなくても、日々一生懸命に生きている・・・
それだけでもう十分頑張っていると思います。
そんな時は、「理想」ばかりを追い求めず、❝ありのままの自分❞を大切にしてください。
まずは、❝自分を守る❞・・・
そこがとても大切だと思います。
最後に・・・
お子さんに『感情の予防接種』をする際は、❝愛情という生理食塩水❞でしっかりと包んであげてくださいね(^^)
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