【拡散希望です】苦手分野の学習を意欲的に取り組むためのちょっとした工夫~親が分からないふりをして、子供に優越感を与える~
何度も書いておりますが、私の息子は未熟児で産まれ知的障害と言語発達遅滞を患い、5歳までまともにしゃべることができませんでした。
では、5歳ではっきりしゃべれるようになったのか?
いえ、やっと他の人が息子の言葉を何を言っているのか聞き取れるくらいで、その後も爆発的な成長もなく、本当に少しづつ少しづつの成長でここまでやってきました。
また、今もなお、言葉や文章の理解力や表現力が弱く、吃音もかなり目立ち、スムーズにおしゃべりできない状態です。
そんな言葉の遅れよりも息子が苦手なこと。
それは、視覚認知や空間認知能力です。例えば、図形やパズル、お絵かき、工作など、イメージするものがとても苦手です。
パズルは何歳も繰り下がったものでやっと、お絵かきは簡単な見本を見せても同じ形に書くことができない、何重にも重なった図形から正しい形を認識することができない、何もないところから創造力を働かせて物を作ることができない・・・
2歳の時に受けた療育センターでの発達検査から、この分野の数値がどかんと下がっていました。
その頃から、パズルやブロック、折り紙や工作などを意識して取り組むも、全く効果はありませんでした。
もちろん、2歳の時にできなかったことが今できるようになっていたりと息子も成長しています。
ただし、正常域を考えたら、周りのみんなに全く追いつくことのできない分野。努力と結果がなかなか比例してこない分野です。
苦手なことはあって当たり前。私もそう思っています。
でも、今まで絶対にできない・・・と思っていたことが、諦めずに何年も何年も月日を費やしていたら、できるようになったこともあります。
ハンディキャップを負った息子は、現在通常級で過ごしています。
みんなと同じ環境で同じ勉強に取り組んでいます。
それは無理やり親の希望を押し付けているのか?これにつきましては以下の記事をご参照ください。↓
だから、そんなに簡単に諦めるわけにはいかない・・・
そのため、計算が得意な息子の算数力をもっと伸ばしてあげたい。そんな思いから、日々文章題や図形の問題にも取り組んでいます。
でも、息子にとってはしっかりと苦手意識がついてしまった図形問題・・・
息子がなかなか習得できない私の苛立ちが影響してしまったのもあると思います。
そして、図形のドリルをはじめパズルやブロックなどにも拒否反応を示すようになった息子。
「私は教え方を間違えた・・・」
では、このまま諦めるのか?
私の中では諦める選択肢はありませんでした。
追いつめて勉強させるのではなく、本人の気持ちをどう切り替えていくか・・・
そこで、他の角度からアプローチ方法を考える。
そんな時にひらめいたのが、『好きを利用して学習をする』ということでした。
そして私はゲームが大好きな息子のために図形のゲームソフトを購入しました。
私が目を付けたのは【任天堂DS 空間★図形 ひらめきトレーニング くうトレ】という商品。
平面・立体・空間パズルを使い、自分でまわしながら動かしながら視点を変えて、柔軟な思考力を身につけることを目的とした子供向けゲーム。
これなら遊び感覚で図形に触れることができる。
最初は食いついてやり始めた息子。でも進めていくうちにやっぱり分からない・・・
すぐに息子はやらなくなってしまいました。
対照的に何でも得意な娘がどんどん先に進め、楽しい楽しい♪とはまる始末。
これもだめか・・・でもすぐに諦めたくない私。
そこで、試行錯誤した結果、ついに息子がそのゲームにはまる方法を見出したのです!
それは・・・・
『親が分からないふりをする。』ということ。
その図形ゲームは進んでいくとポイントがもらえる仕組みで、3人まで登録することができます。
もちろん、一人目は息子、二人目は娘、・・・そして三人目が私。
そこで、一番簡単な問題で私が分からないふりをします。「え?なにこれ?」「難しいね~」「全然分からないんだけど・・・」とわざと声を出す。
すると、興味のなかった息子が近づいてくるのです。
息子は「え?こんなのも分からないの?!」「お母さんやばいね~」と。
すかさず、私は「え?分かるの?」「どうやるの?」と聞き返す。
すると息子は優越感ある顔で「これはこうだよ!」と教えてくれる。
そこで「すごいじゃん!」と褒める私。
息子にとっての図形は、今までいつも苦手で【教えられるもの】でした。
でも、それを逆の発想で【教えてあげるもの】に変えてあげたのです。
子供たちはいつもいつも教えられる立場・・・
そこを、先生のように教える立場に変えてあげる。
すると、子供は優越感が出て前向きに取り組むことができるようになる。
そこで、一番簡単な問題をクリアした後に次のステップへ行くと、一緒に考えてくれるようになります。まだここですぐに一人でやらせないこと。あくまでも、ゲームの主体は私です。
「これはどうやるのかなあ~??」「こうやってみたらいいかもね!」などとヒントを与えながら一緒にやる。
すると息子は、今まで「もうやらない!」と言って拒否していた問題を一生懸命に考えているのです。
しまいには、「貸して!」とゲームを奪われる私(笑)
そうか・・・得意なことは普通の学習方法で進めていくことができるけれど、苦手なことはまず簡単な問題で自信をつけさせることなんだ・・・
さらに、他の人に教えてあげる環境を作ることで優越感を持たせてあげることが大事なんだ。
その後、3人でポイントの競争をすることにしました。気分の良くした息子もその競争に参戦してくれました。
どんどん進んでたくさんのポイントをゲットする娘。
私は息子の点数を超えないように加減しながら、困った時は一緒に考えながら息子のモチベーションを保ちました。
前の記事で書かせていただきましたが、普段あまり勝負で手加減をしない私。↓
でも、これは息子が一番苦手な分野・・・
一つの考えに固執するのではなく、その状況によって柔軟に対応しよう。
そんな思いから、この図形ゲームは楽しんでできるようになり、ゲームだけでなくペーパー上の図形問題にも以前より前向きに取り組んでくれるようになりました。
もちろん、苦手意識が克服できたわけではありませんが、ちょっとした工夫でここまでも息子の表情が変わるものなのだな、ということを学びました。
それにしても、いつもはもっと難しい問題を私が教えているのに、あんな簡単な問題を私が「分からない!」と言った時に、よく子供たちは不思議に思わなかったなあ・・・とちょっと自分の中で笑えました(^^)
この手は息子と娘が低学年であるから通用したのかもしれません。
でも、大きくなった子でも本当に分からない子に教えてあげるというシチュエーションを作ってあげることで、何か変化があるかもしれません。
『いつも教えられるばかりではなく、自分が教えてあげる立場になる。』
これは、とても有効な方法ではないかな?と思いました。
他にもみなさんの『苦手分野を学習するための工夫』がありましたら、教えていただけますと幸いです。
また、この記事がより多くの方に共有され、多くの工夫や案が集まることにより、今現在、苦手分野で苦しんでいる子供たちが少しでも前向きに取り組むことができるきっかけになることができればと願っています。
※【拡散希望】と題することに、様々なご意見等あるかとは思いますが、真剣な思いで書かせていただきました。