子供の嘘への対処法~その時、あなたは「責める」をやっていませんか?~
今朝、息子が嘘をつきました。
わが家には『学校の宿題は前日に必ず済ませること』という約束事があります。
これは、わが家だけでなく、ほとんどの家庭がそうだと思います。
前日までに宿題をやって、翌日の持ち物をそろえる。
普段は子供たちがそれを自分で行い、翌朝私がチェックをしています。
チェックといっても、基本的には小学校1年生の娘のチェックで、今日は小学校3年生の息子の抜き打ちチェックもしたんです。
すると・・・
宿題をひとつやっていない・・・
音読やプリントの宿題はいつもあるので、リビング学習のわが家は「宿題やってるな~」とすぐに分かるのですが、イレギュラーの宿題が出ると連絡帳をチェックしないと分からないわけです。
息子はもう小学校3年生。
発達の遅れの関係もあり、息子の場合は2年生あたりまで私が毎日しっかりとチェックを行っていました。
そして、自分でもきちんと準備ができるようになってきたので、そこからは基本的に学校の準備を息子に任せています。
そんな中での抜き打ちチェック・・・
いつのも宿題はやっているけど、イレギュラーの宿題をやっていない。
それは「リコーダーの種類と特徴を調べてくる」というもの。
連絡帳にもその宿題が書いてある。
「宿題やってないじゃん!!!」
すると息子は「月曜までのやつ・・・」と。
でも、いつも先の期限のやつはその期限も連絡帳に書いてあるんです。
今回はその期限が書いていない。
ということは、翌日までのもの。
「連絡帳に期限が書いてないけど、本当に月曜までなの?」
「・・・・うん」と鈍い返事。
もう、毎日一緒に過ごしていると、だいたいの嘘は分かります。
でも私は「ねえ本当?本当に嘘ついてない?」とは詰め寄りません。
「まずい展開だ・・・」と思っている息子は、そんな簡単に「はい、嘘です」なんて言うはずもない。
こんな時にさらっと認めさせる言い方は・・・
「じゃあ、先生に電話して聞いてみるね♪」と(^^)
すると、息子は案の定「だめ~!!!!」
「じゃあ、月曜までって嘘だったんだね」
「・・・・・・・」
息子はもうだんまりです(笑)
「嘘はだめだよ!」なんて、もう分かっていることを改めてくどくどと説明はしません。
だって、言葉に詰まっている息子の姿が「嘘はだめなこと」って理解している証拠だから。
だから、息子がその宿題をできなかった理由をきちんと聞いてあげるんです。
「どうして昨日できなかったの?」
「スイミングで疲れてて・・・」
なるほど!確かに、進級して時間帯が遅くなり、帰ってくるのは午後6時過ぎ・・・
それまで、一生懸命に泳いで体も疲れているし。
普段の音読やプリントの宿題はささっとできるけれど、この「イレギュラーの宿題」は自分で調べてそれを文章にしていかないといけない。
特に、言語力の弱い息子はその作業にすごい労力を使うんです。
◇息子の気持ち
だから、昨日はやりたくなかった。
↓
私に言ったら絶対にやらされるから、言わなかった。
↓
そのまま、学校でやればいいと思っていたら、私に見つかった。
↓
怒られるから、「月曜まで」と嘘をついた。
もう、完全につじつまが合っていますね(笑)
子供が「嘘」をつくには、きちんと「理由」があることを認めてあげる必要があります。
やみくもに「嘘」をついたことを怒っても、何の解決にもならず、お互い嫌な気持ちが残るだけです。
「なんで嘘なんてついたの?!」と言ったって、子供なりに正直に言えない都合があったから。
ただ、それだけです。
だから、私は「この宿題大変だもんね」とまずは共感してあげます。
「でも、昨日より朝やる方が時間がなくて、余計に大変になっちゃうし、ちゃんと調べて考えられないよ?」
「しかも、この内容は一人で学校でやるのはちょっと難しいんじゃない?」
「だから、昨日休憩してから、ゆっくりやるのが良かったと思うよ(^^)」
と、私は説明しました。
すると、息子は「ごめんなさい・・・」と謝ることができて♪
「すごい!さっきは何も言えなかったのに、謝れたじゃん!!!」と笑顔で褒めました(^^)
そこで、息子の顔がぱあ~と明るくなって(^◇^)
「これからは、やっぱり宿題はその日のうちに片付けようね!」と言ったら、「うん!」とにっこり(^^♪
私のいつもの『共感→説明→笑顔の法則』は、これにて完結(^^)/
子供が嘘をついた時は、こうやって嘘をついたことばかりを責めずに、まずはきちんと嘘を自覚してもらって「嘘をついた理由」を一緒に確認するんです。
そして、そこに対して「じゃあ、どうすればいいかな?」ということを教えてあげる。
最後に謝ることができたら、全てオッケーです(^^♪
もし、この時に宿題をやらなかったことや、嘘をついたことばかりを責めて、とりあえず宿題をやらせて、「もう次は嘘つかないでちゃんとやってよ!」でおしまいだったら、お互いの気持ちはどんよりのまま(-_-;)
過去記事にも書かせていただきましたが、子供たちは「嘘」に関してもまだ「土台」ができていないんです。嘘をつかなくてもいいように行動をすればいいのだけれど、まだ気持ちが優先してしまってそのやり方が分からないから、自分を守るために「嘘」をつくんです。
子供たちはまだそういった大切な土台がしっかりと身に付いていません。だから、土台で失敗をしても私たち大人はそれを受け入れ、その都度子供たちと一緒にどのようにしたら解決するのかを考え教えていきます。そんなことを繰り返しながら、子供たちは大きくなるまでにその土台を固めていくのです。
大人になるまでにその土台がきちんと身に付かなかった場合、社会から孤立し、そんな孤独感から自暴自棄になってしまうことがあるかもしれません。
だからこそ、まず子供たちの人権を尊重しながらこういった土台を一緒に築き上げていきたいと思っています。
もちろん、子供は物ではありません。親の言うことを聞くロボットでもありません。みんなそれぞれに、気持ちがあり考えがあります。
そんな大切な気持ちや意見を尊重できるような土台をしっかりと作り上げていくことが、教育の根源のひとつに挙げられるのではないかと思っています。
※過去記事「教育虐待について考える その③~教育の根源、そして虐待との境目とは?~」より引用
このようにして子供と一緒に土台を作り上げていくことによって、親子の信頼関係も深まります。
「なんでそうしたの?!」「どうしてこうしたの?!」と責めるだけの教育は、子供に恐怖心を与え、更なる「嘘」につながっていくのです。
「嘘をつくな!」と言うならば、❝嘘をつかなくてもいい親子関係❞を築き、❝嘘をつかなくても済む方法❞を教えてあげればいいんです。
将来、「ついてもいい嘘」と「ついてはいけない嘘」を見極められる大人になってもらうためには、こういった上記の流れが必要になってくるのではないかなと思いました。
P.S
「リコーダーの種類と特徴を調べる」宿題、今朝しっかりやりましたよ(笑)
公文の宿題をしっかりやり切れていたので、今朝は時間を作ることができました(^^)/
「やるべきことは、できる時にしっかり済ませる!」のおかげでできた時間(笑)
今回の件を通して、そんな大切なことも改めて教えることができたかな?と思います!
言葉で説明されるよりも、こういった実体験が何よりの学びにつながります(^^)