子供の幸せを願って

~未熟児で産まれ、知的障害・言語発達遅延を患った息子の成長において私ができること~

真夏日の運動会~自信の喪失・・・そして、そこから得るもの~

昨日は小学校の運動会でした。テレビもネットもざわついていましたが、なんと最高気温33度予報での決行で、実際のグラウンドはもっと暑く感じました。。。

 

娘と息子が通う小学校からは前日にお便りが。

 

《水筒(お茶か水)と汗ふきタオルとは別に、凍らせたペットボトル(スポーツ飲料可)と濡れタオルを持参してください。具合が悪くなった場合は、すぐに先生に伝えるよう保護者からも言い聞かせてください。》といった内容でした。

 

延期を呼びかける声もある中、保護者たちの仕事の予定などの考慮や学校側のスケジュールの予定などがあったのだと思いますが、炎天下での運動会決行は正直不安だらけでした。

 

凍らせたペットボトルはすぐに溶けてしまうだろうし、濡れタオルを頭に乗せたり首に巻いたりするにせよ、児童たちは日陰も全くない熱いグラウンドの上に何時間もいることになるのです。

 

それでも、年に一度の運動会。子供たちは何週間も前から練習に励み、チームで一致団結し、運動会本番に胸を膨らませて楽しみにしています。本番では、今まで頑張ってきたことによるやり切った時の達成感や負けた時の悔しい気持ち、みんなで同じ目標に向かって協力し必死に応援する経験など、普段では体験できないことばかりです。

 

そのため、最大限の熱中症対策をして、学校の判断に従うほかありません。

 

凍らせたペットボトルは4本用意し、保冷袋に入れて午前と午後に子供たちに渡しました。その際、濡れタオルでペットボトルを包み、少しでも冷たい状態をキープできるようにしました。

 

朝8時30分から始まった運動会はすでに暑さを感じる状態で、その時点ですでに数名の体調を崩した子供たちがテントの救護室で首を冷やして休んでいました。

 

スタートでこの状態・・・このままどんどん気温が上がり、閉会予定の3時までにどれだけの生徒が具合を悪くしてしまうんだろうと恐怖感すら覚えました。

 

それでも、競技はどんどん進んでいきます。先生も保護者もみんなが命がけだったように思います。

 

保護者は数種目見るだけでぐったりなのに、先生や生徒は日陰にすら移動できず常に灼熱の中です。

 

そんな状態でも、元気に各競技をこなしていく子供たち。本当にパワーいっぱいで体の心配を忘れてしまうほどの感動を与えてくれました。

 

また、学校としては校庭に水をまいたり、水分補給のアナウンスを定期的に流したりと、一生懸命にやってくださりました。

 

そんな対策と担任の先生方のきめ細かい対応のおかげで、最終的には少し体調を崩した子が入れ替わり立ち代わり救護室に入ってきただけで、どの子も大事に至らないまま無事に運動会を終えることができました。

 

 

 

 

息子に限ってお話をするとすれば、幼稚園年少の初めての運動会。。。みんなと一緒に並べるかな?徒競走はゴールまで走ることができるかな?ダンスは固まって何も踊れないかな?・・・と、初めての大舞台にどのような反応をするのだろうととても心配な気持ちで迎えましたが、本番で先生なしでみんなと同じ列に泣かずにしっかりと立っていた時には涙が溢れ、その後もみんなと同じように最後までしっかり走り抜き、ダンスも一生懸命にまねして踊っている姿を見て、『みんなと同じだ・・・みんなと同じことをやってる・・・』と都度感動しておりました。

 

入園前はみんなと同じ行動ができずに、ひとり訳も分からずひたすら走り回っていた息子がこの約半年間の幼稚園生活でみんなと同じように行動できるようになっていたのです。

 

また、お着替え、お絵かき、工作など・・・とまだまだ全てが先生のお手伝いなしではできなかったけれど、しっかり椅子に座れるようになり、一生懸命に課題に取り組む姿はとても大きな成長を感じさせてくれました。

 

そんなことを思い出しながらの今回の運動会。年少さんの時に心配していたことは全てができて当たり前となり、当たり前が当たり前でないことを経験している私は、その当たり前に感謝をしていました。

 

かけっこが得意だった息子は、今まで徒競走はいつも3位以内で、本人も自信を持っていました。そして、3年生から導入されるリレーの選手は選別。もちろん、息子はリレーの選手に選ばれるだろうと期待をしていたのですが、タイム測定の結果により選手には選ばれませんでした。更に、3年生から始まったタイム別の徒競走では初めてのビリ・・・

 

息子にとって数少ない自信のひとつがなくなってしまいました。。。

 

特に発達障害やハンディキャップを抱えた子にとってとても大きな意味をなす自信。

 

正直、私は「大丈夫かな?参ったな・・・」という気持ちだったのですが、息子は特に気持ちを乱すこともなく、所属している赤組優勝に向けて運動会を全力で満喫しておりました。

 

その結果は・・・赤組優勝!!!

 

個人の力は及ばなかったけど、みんなと勝ち取った優勝は息子にとってとても大きなものだったようで、帰宅してからもしばらく「赤組優勝したね!」と興奮しておりました。

 

自信のひとつをなくしてしまったけれど、それ以上の大きなものを得た息子はまた一つ大きく成長したように感じました。

 

自信とは常に安泰しているものではなく、様々な状況によって変化していくものです。

 

その経験ができたことも、今回の運動会は息子にとってとても価値のあるものになったと思います。

 

人生順風満帆に過ごすことができれは何よりですが、それはなかなか難しい現実。

 

だからこそ、楽しいことも辛いこともどんどん経験して、自分の深みにつなげていってほしいと思います。