『できないかも』と『できるかも』~不確定な未来に向けたプラスの心構え~
先日、子供たちの個人面談がありました。
気になるのは現在小学3年生の息子の進級について。
幼少期、軽度知的障害と言語発達遅滞を患い、5歳までまともにしゃべることのできなかった息子が、4年生も普通級でいけるのか?ということ。
「大丈夫です」とは言われていたものの、やはり最終確認はしておきたいものです。
個人的にはまだまだ文章読解やその他資料の読み取りなどに弱さを感じていたため、再度その点を確認しました。
すると、先生は・・・
「特別、平均よりも大きく劣っていることもなく、春に比べたらこれだけのことができるようになっていますよ。」
と、提出物やまだ返されていないテストなどを見せてくれました。
「国語と算数は問題ありませんし、点数がとれなかった社会も問題形式に慣れてきて点をとれるようになってきましたよ。」
「しかも、テストだと点を取りづらくても、授業内容の読み取りもしっかりとできているし、それに対する意見も出せています。」
「集中力もあって、積極的に挙手もして発言をしています。」
「だから、取り出し授業(苦手な教科を個別で受ける授業)も必要ないし、そのまま進級して大丈夫です。」
「指示の理解力に関しても、一度で全てを聞き取れる子は私(先生)の感覚だと数パーセントです(笑)ほとんどの子は一度では聞き取れずに、私が何度かリピートしている間にようやくクラスの半分程度が理解する感じで、そこから友達同士で理解が広まっていく感じ(笑)それでも指示通りに動けていない子に、私が個別で回っています。」
「だから、まだまだ一度で複数個の指示を一気に理解できなければ劣っているというわけでは全くありません。」
とのことでした。
小学校入学時、普通級か支援級かで散々悩んで・・・
専門機関である教育センターでさえも「どちらでもいい」という判断でした。
つまり、安心をとるなら支援級で、挑戦するなら普通級といった状態。
そんな中、再度幼稚園と協議を重ねて「簡単な一年生なら普通級でいけるのでは?」という判断のもと、背伸びをして普通級に通わせることにしました。
「学年が上がるにつれ、難しくなるかも・・・」と言われながら・・・↓
だから、
背伸びをせずに中学年も進級していけるのか・・・
というのが、私の率直な感想です。
そういえば・・・
幼稚園に入る前は、「年中さんから徐々に課題が難しくなっていくので、幼稚園に行きたがらなくなるかもしれません」と言われ・・・
でも、結局は完全に園でリラックスすることはなかったけれど、「行きたくない!」と一度も言わずに、またそんな素振りも見せずに通うことができて。
また、小学校入学時は「新しい環境になじむのが大変かも」と言われて・・・
でも、小学校に入ったとたんに自分の素を出せるようになって、楽しく通うことができるようになって。
更には、「視覚認知が非常に弱いので、漢字の画数が増えてくると厳しくなる可能性があります。」と言われたけれど・・・
漢字も大きな難なく、どんどん順調に覚えています。
(知能テストを行ったところ、順序立ての能力が高く、漢字を形ではなく筆順でしっかり覚えているのでは?ということでした。足りない部分を得意な部分が補っているのですね。)
そして、「1・2年生は大丈夫かもしれないけれど、中学年からはぐっと内容が難しくなっていくので・・・」と言われていたけれど、3年生も4年生もみんなと同じレベルで進級することができる現実を目の当たりにして、今までの『できないかも』って必要だったのかな?と思うようになりました。
療育センターや教育センターの方たちに今まで言われてきた『できないかも』が、今のところできている現実・・・
専門の方たちの意見だからこそ、真剣に聞き入れる私たち・・・
そして、そんな『できないかも』に憑りつかれて、「少しでもできるように」と必死にわが子と向き合う日々・・・
できないかも、できないかも、できないかも・・・
って、そんな未来の不確かなことに不安を感じて、精神状態を悪化させてしまう。
もちろん、❝思うようにならないことがあるのが当たり前❞という心構えは必要だけれども、必要以上に『できないかも』を自分に植え付ける必要はないんじゃないかな・・・と。
『できないかも』と思いながら、頑張るよりも・・・
どうせ頑張るならば『できるかも』という意識で頑張った方がいい。
長い年月をかけて頑張ることなら、なおさら『できないかも』に憑りつかれるのではなく、『できるかも』で心を満たした方がよっぽどいい。
『できないかも』がたくさんあった過去は、今の私にとっては無駄な時間でした。
「できないかも、できないかも・・・」と思いながら頑張るのって、すごく辛くて大変でした。
「ねえ、できているよ?」と昔の自分に教えてあげたい。
だから、徐々に私の考え方は変わり、今現在『できないかも』と思っていることが「できるかも」に変わってきているんです。
これは、「結果できるようになったから、そう思うようになっただけでは?」と思うかもしれませんが、いくらみんなと同じレベルといっても、まだまだ発達凸凹の息子は不安の材料となる部分が多々あります。
そのため、これからも息子の学習を全力でサポートすることには変わりありません。
学習面だけでなく精神面のサポートも引き続き必要になっていくことでしょう。
どうせ頑張るなら、『できないかも』ではなく『できるかも』という心構えでいた方が精神衛生上とてもいいです。
結果が伴わなくても、どちらの言葉にも『かも』がついている。
だから、どうなるかは分からないことはしっかりと理解しているはずです。
結果よりも過程が大切。
どちらの結果が出ようとも、その結果が出た先で、また新しい過程を作っていけばいいんです。
だから、私は『できないかも』にとらわれていた過去を卒業し、『できるかも』の未来を見据えてこれからも頑張っていきたいと思っています。