子供の幸せを願って

~未熟児で産まれ、知的障害・言語発達遅延を患った息子の成長において私ができること~

「食事のマナー」よりも大切なこと~理想にこだわらずに、今何が大切かを見極めよう~

先月9歳を迎えた息子は、いつの間にか身長130㎝を超えていました。

 

平均をキープして、順調に伸びています。

 

そういえば、9年前に43㎝の未熟児で産まれて、「ちゃんと大きく育つように」と新生児の頃はグラム単位で体重を計って一喜一憂していたっけ・・・↓

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幸い小さく産まれた息子はどんどん体重も増えて身長も伸びて、順調に体が大きくなっていきました。

 

子供の成長って当たり前に喜ばしいものですよね?

 

私もある時期を除いては、体重が増えて身長も伸びてどんどん大きくなる息子に喜びを感じています。

 

 

ある時期を除いては・・・

 

 

一番初めのブログにも書かせていただいたのですが、その体の成長が喜ばしくなかった時期があったんですよね。

 

それは、ちょうど3歳~5歳の時期。

 

もう周りの子供たちは普通の会話ができて、いろんなことを理解していて、お絵かきも工作も何でも一人でできるようになっているのに、息子はそれらができませんでした。

 

特に一番心配だった言葉・・・

 

体はどんどん大きくなるのに、まともに何もしゃべれない。

 

当時は不安と心配しかなくて、順調な体の成長を喜ぶことができなかったんです。

 

誕生日がきたって、「また体と年齢だけ大きくなっちゃった・・・」って。

 

子供の誕生日がうれしくないって、言葉では表現できない程の苦しさがあります。

 

誕生日が来るたびに、中身は赤ちゃんのままで、体だけが大きくなっていく葛藤。我が子の誕生日を心から祝うことができない、形だけの誕生日会。

 

まだ、2歳と言っておきたいのに・・・まだ、3歳と言っておきたいのに・・・

顔は笑っていても、心は笑っていませんでした。 

※「はじめまして(^^♪〜ハンディキャップを抱えた子を育てる私の心構え〜 」より引用

 

 

未熟児で産まれたからこそ「大きくなってほしい」と願っていたのに、現実は「大きくなってほしくない」という気持ちの方が勝ってきて・・・

 

それでも、生きていくためにも元気でいるためにも必要な栄養を第一に考え、毎食しっかりとバランスのいい食事を意識してやってきました。

 

そして、その栄養が発達の土台となることを信じて、一生懸命に食べさせてきました。

 

 

 

また、息子は体質的に痩せています。

 

さらに、幼児期の頃は喘息に悩まされ、風邪もしょっちゅうひいていて、決して体が強いとは言えない子供でした。

 

だからこそ、「栄養が足りないからそうなるんだ」という原因には絶対に結びつけたくありませんでした。

 

しっかりバランスのいい食事を摂って、しっかりと睡眠をとる。↓

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これは、今まで私がぶれずに行っていることです。

 

 

 

発達のためにも、健康のためにも、体重のためにも・・・・

 

絶対に欠かすことのできなかった栄養・・・

 

きちんと食べさせるということに対して、すごい思い入れがあった私。

 

だから、そんな私にとっての『食事のマナー』は二の次三の次でした。

 

 

 

知的障害の影響もあったのか、とにかく落ち着きがなく座って食事をすることのなかった息子。

 

それを毎食追いかけながら口に食べ物を運ぶ私。

 

「躾がなっていない」と言ってしまえばおしまいですが、そんな簡単な言葉では解決のできない状態でした。

 

そんな躾は何度もチャレンジしている。

 

それでもだめだから、遊ばせながらでも追いかけながらでも食べさせる。

 

何よりも栄養が大切だから・・・

 

「お腹が空いたら座って食べるよ」って何度周りに言われたことか・・・

 

「あげちゃうから、遊んでいてももらえるって思ってるんだよ」って。

 

ただ、当時の息子はそんなことをしたって、食べても少しで満足して食事終了という感じでした。

 

それを続けたら、もともと痩せている体がどんどんやせ細っていって、どんどん体も弱くなって、知能にも悪影響なのでは?という思いが強かった私は「食事のマナーは後からでもつけることができる」「今の栄養は今しか摂ることができない」と息子を追いかけながら食べさせ続けました。

 

 

 

もし、大きくなっても座って食べることができないのならば、それは障害・・・

 

そういった障害がなければ、じきに座って食べるようになるはず・・・

 

だから、私は座ってくれなくても、遊んでいても、食事はしっかりと食べさせる・・・

 

 

 

そんな生活を何年も続けて、ようやく息子が座って食べるようになってきたのが幼稚園年長の頃。

 

「ほら、やっぱり座って食べるようになった」

 

その約5年間をしっかり食べさせるか食べさせないかで、きっと今の身長も変わってきたのではないかな?と思っています。

 

そして、何よりも今までの栄養が様々な発達を大きくサポートしてくれたのではないかな?とも思っています。

 

あの時期、私が追いかけてでもしっかりと食べさせてきたことが、今につながっているように感じます。

 

だって、食事は全ての基本であり土台となりますから。

 

もちろん、神経質になる必要はないけれど、普通のバランスのいい食事は必要だと思っています。

 

幼稚園年長までの息子はそんな最低限の栄養を自ら摂取することが日常的にできませんでした。

 

だから、私がその義務を果たしただけです。

 



「食事のマナー」と厳しい声を耳にすることもあったけれど、そのマナーを簡単に身に付けることができないことだってあるんです。


「時間がきたら切り上げなよ」って、本人のペースを無視していたら、十分な量を食べられないんです。

 

食事をただ一生懸命に与えていることが、なぜ否定される対象になってしまったのかは今でも理解ができません。


無理に口に押し込めているわけでも、吐くほど食べさせているわけでもないんです。


ただ、座って食べていないだけ・・・

 



理想と現実は違うことをしっかりと認識しなければいけません。

 

そんな中で、いろいろな方法があってもいいはずです。

 

だから、私はその数年間、「食事のマナー」よりも「栄養の摂取」を優先させてきて良かったと思っています。

 

子供の「食事のマナー」よりも大切なことは、健康的に育つこと。

 

そんな大切なことを理解し協力してくれた母や姉には感謝の気持ちでいっぱいです。

 

 

 

今日は、いつの間にか130㎝を超えていた息子に対して、そんな大変だった過去の食事風景をふと思い出しました。

 

今では体も強くなって、足のサイズももうすぐ追いつかれそうで(^^)

 

そんな息子を見ていると、私は「食事のマナー」に固執しなかった過去に悔いはありません。

 

 

 

(※ホルモンに問題がある場合やもともとの遺伝的要素などによって、食事=成長になるとは限りません。)