子供の幸せを願って

~未熟児で産まれ、知的障害・言語発達遅延を患った息子の成長において私ができること~

体操・公文・スイミングを通じて習い事から得たもの~息子の成長、そして先生とつながることの重要性~

息子は幼稚園の年中から体操を習い、年長の終わりから公文とスイミングを始めました。みなさん、習い事を選ぶ時はそれぞれの基準があると思います。

 

・子供がやりたい!と言ったものにする

・子供の興味があるものにする

・親が子供に身に付けてほしいものにする

・その他の理由で決める        など

 

私の場合は、基本的に3番目の『親が子供に身に付けてほしいものにする』でした。

 

まず、息子の場合は何か飛び抜けた才能を作ってほしいというよりかは、学校に楽しく通い、日常生活をしっかり送れるようになってほしいとの思いがあったため、幼稚園は体操を習い小学校の体育につなげ、公文も小学校の学習につなげる目的で選び、スイミングは喘息を持つ息子のためと今後水の事故を防ぎ命を守るために選びました。

 

他にも英語・絵画・ピアノ・サッカー・空手・ダンスなど、息子が通う幼稚園には沢山の選択肢がありましたが、まず目前に控えている小学校生活に密接に関わっていくものを個人的な価値観で選んだわけです。(英語もとても迷いましたが、デフォルトで幼稚園の授業に組み込まれていたこと、息子の場合はまず英語よりも日本語を優先するべきであるという理由で選択肢から外しました。)

 

◇体操

手先が不器用だったり、細かい作業がとても苦手な息子でしたが、体を動かすことは大好きでした。

 

ただ、毎回新しい課題に入るたびに思うようにできず、不安や恐怖感から泣いてしまうことも多々ありました。前転は大丈夫だけど、後転が怖かったり・・・跳び箱でうまく足を広げられなかったり・・・ちょっと、出来ないだけでとても後ろ向きになっていた息子。特に自分の気持ちを相手にうまく伝えることができないことも理由のひとつにあったと思います。

 

そんな息子を先生は暖かく見守り、時には見学を勧め、時には一緒にやり、時には一人でチャレンジすることを促がし、絶妙な対応を心がけてくれました。また、私は息子が今不安に思っていることを、他人であればほぼ分からない本人の言葉やジェスチャーから感じ取り、それを都度先生に伝えていました。

 

そうして少しづついろんな運動能力が身に付いていき、もともとできていた前転やまだ完全に上手ではなくても少しできるようになった後転・跳び箱などで見本に選んでいただき、みんなの前で披露する機会を先生は積極的に与えてくれました。

 

そんな先生の配慮から、自信という感情を学んだ息子はできない課題があってもだんだんと泣かないようになり、できなくてもチャレンジしていくようになりました。

 

そんな息子の成長を感じながら、親子共々前を向いて体操教室に通う日々。

 

年長の後半には後転もマスターし、跳び箱5段をスムーズに飛び、空中逆上がりができるようになり・・・心も体も本当に驚くほどの成長を見せてくれました。

 

◇公文

幼稚園年少から3年間、療育とは別にベネッセのこどもちゃれんじを続けていた息子。とても絵が多く楽しみながらできる教材でしたが、平均よりも低い能力の息子にとってはこの毎月送られてくる平均的な内容に苦労しておりました。

 

息子が悪い訳ではないのに、イライラしてしまう私。こんなこともできないのか・・・と落胆する日々。だんだんと私にとっても息子にとっても大きなストレスとなっていたのです。

 

全て親が管理しなければならず、教えるのも丸をつけるのも親。幼い子供の教育、もしかしたら、これが当たり前のことなのかもしれません。ただ、知的障害と言語発達遅延を抱えていた息子に対して、少しでも伸びてほしいと必死な私は思うように理解してくれない息子に苛立ち疲れ切っていました。

 

それでも、すぐに諦めずに続けてみようと頑張ってきましたが、小学校入学を前にこのままでいいのか、今一度考え直すことに。

 

そこで、自宅近くの公文の先生に相談に行きました。幸いにもその先生は発達障害や成長に問題を抱える子供たちの研究も行っており、そのような生徒を何人も受け持つ勤続20年以上の大ベテラン。

 

私は一人で抱え込まずに基礎学力の土台を公文に託し、時には先生に相談しながら、この子の成長を見守っていこうと決意しました。

 

まだその時の息子は訳も分からず、「療育センターの次はここに通うんだよ。」という私の説明ですんなりと入会してくれました。

 

初めは本人の能力よりも低いところからスタートする公文。この方法が特にハンディキャップを抱えた息子にとってはとてもぴったりで毎日楽しく勉強に取り組めるようになりました。

 

そして、徐々にレベルが上がっていき、難しい課題に取り組む頃には、毎日机に向かう習慣がしっかりと身に付いていました。

 

今では放課後の夕方から公文に行き、時には3~4時間も帰ってこない息子。それなのに、笑顔で元気に帰ってくるのです。そして、当たり前のように、起床後すぐ公文の宿題を自ら始める姿。

 

ここまでの習慣を作るまでには、様々なことがありましたが、今までたくさんの壁を乗り越えてきた自信と、息子の気持ちをコントロールしてきたこと、そして何よりも何があってもぶれることなく続けてきたことがプラスに働いたと思っています。

www.jiritsusupport.com

 

◇スイミング

スイミングは幼稚園の授業に組み込まれており、年少の時から週に一回近くのスポーツクラブへ通っていました。

 

お風呂でも顔にお湯がかかるのが嫌いだった息子。急に大きなプールへ連れてこられ、大号泣。まだ、言葉も全く話せず、幼稚園という新しい環境にも慣れていない頃。

大きな不安で泣いてしまうのもよく分かります。「きっと最初だけ・・・しばらくしたら慣れるだろう。」と高をくくっていました。

 

1カ月経っても、3カ月経っても、半年経っても、どんどん周りのお友達が楽しく元気にプールに入っていく中、息子の顔はいつも不安と緊張でよく泣いていました。

 

それでも、成長が遅れている息子を数カ月単位では見ていなかったため、年中さんになったら、年長さんになったら変わるかな?と年単位で様子を見ていました。

 

そうしているうちに、年中から年長になり、特に大きな変化もないまま息子は3年間不安や恐怖を抱えたままスイミング活動を行ってきたのです。

 

喘息も患っていた息子に対し、小学校になったら水泳を習わせたいなとずっと前から思っていた私も、さすがにこれ以上はかわいそうだなとスイミングの習い事を諦めていました。

 

そして入学を目前にした2月。突然息子が「スイミングを習いたい!」と!!

 

「え?・・・え?・・・え?・・・今何て言ったの?!」と私はとても驚いて何度も聞き返しました。

 

3年間も嫌がっていたことをやりたいだなんて、こんな奇跡もあるのかと本当にびっくりしました。

 

当初、習い事の選び方を『親が子供に身に付けてほしいものにする』だったものが、『子供がやりたい!と言ったものにする』に変わった瞬間でした。

 

まだまだ、話すことが苦手な息子は理由まではしっかりと説明することができなかったけど、大好きなお友達が泳ぐのが上手で水泳を頑張っていたこと、年長の終わりころから体操でいろんなことができるようになったり、発音訓練の結果少しづつ相手に伝わるおしゃべりができるようになってきたことなど、自分に自信がついてきたのかな?と思いました。

 

早速、近くのスポーツクラブを何件か調べ、まずは体験入会を申し込んだ私。その際、プールのコーチに今までの状況をしっかりと説明しました。そして、とても明るく前向きな言葉をかけながら息子に接してくれるコーチ。

 

2回の体験を終えた息子は、このまま続けたい!と。そうして、どんどん進級しながら今も楽しく通っています。

 

『できなくても、下手でも大丈夫だよ』という言葉とともに。。。

 

 

 

これらの習い事に共通して学んだことは、先生と親が密接に関わりあうことでプラスに働くことがたくさんあるということです。

 

もちろん、先生も一人の人間。様々な生徒を抱え日々奮闘されていらっしゃいます。だからこそ、我が子ばかりをお願いするのではなく、「出来る範囲で大丈夫です」と言葉を添え、感謝の気持ちをしっかりと伝えることが重要になってくると思います。

 

ひとつひとつの習い事がとても奥深く、息子の成長に大きく関与していることを改めて感じ取りながら、これからも先生と協力して息子をサポートしていきたいです。